染谷さんが新領域創成科学研究科研究科長賞を受賞

修士論文題目は「 磁気リコネクション加速・加熱解明のためのイオン速度分布関数の低擾乱分布計測の開発 」です。 ガラス管2本のプラズマへの挿入だけで,ガラス菅内に設置した光ファイバー・ミラー群によってイオン流速ベクトルとイオン温度の1次元分布を計測するドップラープローブシステムを開発しました。これは,サイズが大きく,プラズマへの影響が無視できない従来のシングルチャンネル・ドップラープローブと比較して,低擾乱かつ分布計測が可能な点で画期的です。測定点毎に6方向の視線を用意する新たな工夫を加え,2本のガラス管挿入だけでイオンの速度分布関数の1次元分布を計測することにも成功しております。ドップラー計測を用いたイオンの速度分布関数計測は試みられたことがなく,初めての成功例といえ,同分布関数計測結果によって,磁気リコネクションによるイオン加速の熱化がトーラスのX点の内側と外側で大きく異なる点や,イオン速度分布の異方性を明らかにしました。学会に大きなインパクトを与えたことから2020年度プラズマ・核融合学会年会において若手学会発表賞を受賞し,今回,修士論文が研究科長賞の受賞につながりました。